12月26日 日曜日                     
                            
いつものように掃除、洗濯が終わり、買い物に行こうと考えていた昼下がり・・・ 
突然、携帯が鳴った 
この着信音はK子だ! 
 
 

「もしもし、とっさん?」 
 
 (ドキドキ)そ、そうだよ。 
 
「あのね、今日ヒマ?」 
 
 うん。
 
「それなら大阪ドームに来て!」
 
 へ?
 
「キンキのコンサートに来て欲しいねん」
 
 迎えに?
 
「ちがう。とっさんも一緒に見んねん」
 
 僕が?
 
「一緒に行く友達がドタキャンしよってん」
「だから、お願い。一緒に行こうよ」
 
 いいの?
 
「いいから。時間がないねん4時から始まるから、早く来てね」
 
 わかったぁ〜
 
 
 
大喜びで準備を済ませ、電車に飛び乗り大阪ドームへ。
嬉しさと緊張と不安・・・とにかくドキドキしていた
 
 
大阪ドームに着いた。来るのは初めてだ
入り口でK子が手を振っている「早く、早く」と。
会うのは本当に久しぶりだ
ちょっと照れくさかった。
 
 
話を聞くと、今回はアリーナ席が当たったのだが友達(既婚)の子供が熱を出して行けなくなったらしい。
せっかくのアリーナ、ダフ屋に売るなんてもったいないし、
そこで、クリスマスプレゼントのお返しに僕を誘った・・・
だ、そうだ。
 
ちなみに僕はK子にカシミアのストールと手袋、他1品をプレゼントした
 
とにかくK子と会えるのだから、なんでもいい…そんな気分
友達の子供に感謝しつつ(不謹慎)
一緒に会場へ
 
 
クラシックのコンサートは行ったことはあるけど
歌手のコンサートは行くのがこれが初めて。
K子が言うには観客は5万人(!)だそうだ。
アリーナだけあってグラウンドの中だ
僕らの席は野球場で言ったら、セカンドベースの近くかな?
大阪ドームの中心ぐらいだった。
周りは女の子(人)だらけ、男はちらほら
K子はアリーナが久しぶりらしく妙に興奮している

コンサートが始まった

最初から(僕の)知っている曲のメドレー
音がすごくイイ! やっぱ真ん中だから?

MCタイム・・・(敬称略で)光一のF1話と剛のナマズ話のすれ違いがおもしろかった。
今回は漢字テストをしたらしい結果は2人とも同じ無難な点数でホッとしていた。

アリーナだから?すごく近くでキンキの2人を見た。
光一はそっけなかった。
剛は目が合った!しかも手を振ってくれた。
今日から剛ファンになりそう(笑)

そんなこんなでコンサート終了。

K子は離れて座っていたファンクラブの友達と合流。
でも、友達をファミレスに行かせ僕の所へ

「とっさん、話があるんだけど。」

 ん?なに、どうしたの?

「こっちへ来て」
 
 
近くにある公園へ
 
 
「とっさん。あのね」
 
 ん?
 
「わたし達、別れよう・・・」

 えっ?

「別れたいの。」

 なんで?

「とっさん、鬱でしょ?」

 な、なんのことだよ。

「隠したって無駄だよ。とっさんが病院行ってるの知ってるし、知り合いの看護師さんから聞いたから。」

 ・・・・・・。

「あたしのせいだよね」

「あたしがとっさんを鬱にさせたんだよね」

「ごめんね。ゴメンね。」
 
 
泣きながらひたすら謝るK子。
 
 
 そんなことないよ、K子が悪いんじゃないよ。僕の心が弱かっただけだよ。

「違うよ。あたしがとっさんを追いつめたんだ」

「今日だって誘うの怖かった。会うの辛かった。顔を見ることができなかった。」

 あのな、K子聞いて。

「いや! もう別れよっ。」

「そんなにあたしを苦しめたいの?」

「もう とっさんと居るだけで辛いんだよ。」

「とっさんを鬱にしてしまって、ずっと責任感じて生活出来ないよ」

「お願い。別れてよ」
  
 

K子は僕が鬱になったのを知ってからリスカを3回したそうだ。
このまま付き合うんだったら死んだ方がいい、とまで言われた。
 
 
 
 
 
K子が辛いのなら・・・
 
 
K子が苦しいのなら・・・
 
 
K子が望むのなら・・・
 
 

『わかった、別れよう。』

と言うしかなかった。
 
 
 

K子は「ありがとう」「ごめんね」をいっぱい言って、友達の待つファミレスへ行った。
 
 
 

僕はしばらく そこを動けなかった。
夢を見てるようだ
いや、夢であって欲しい。
 
思わず涙が出てきた
 
 

自分の心の弱さを憎んだ

自分の存在がイヤになった。
 
 
 
 

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